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債務整理手続報酬の目安

任意整理手続，民事再生手続，破産免責手続，特定調停手続に関する費用ですが，事案によって多少の増減があるものの，概ね次のとおりとなります（表記はすべて消費税込みの金額です。）。ちなみに，利息制限法引直計算書の作成費用はいずれの手続においても無料です。

着手金

原則として受任時に頂くことはありません。

１．任意整理（和解交渉）手続

（１）: 和解の成立・不成立に拘らず，相手方(a)１～３社までは１社につき３万１５００円を頂戴し，(b)３社を超える場合は１社につき２万１千円を加算します（仮に１０社だと，２６万２５００円にもなってしまいます。余程の理由が無い限りは，債権者数が多い場合には任意整理よりも次の民事再生を選択したほうが良いかもしれません。）。; ところで，任意整理手続の報酬は，１年以内の和解申入を前提として考えています。それができなかった場合は，(a)上記報酬を頂戴した上で辞任させていただくか，(b)１５％の割増料金を頂戴した上で受任を継続するかのどちらかとなります。ただし，(b)の場合でも３年以内の申入，又は方針変更ができなかった場合は辞任させていただくことがあります。
（２）: 減額報酬として，交渉により減った額の１０．５％。例えば，利息制限法適用後の確定債務が１００万円となったけれども，一括弁済を条件とした交渉等により８０万円となった場合には，２万１千円（減った額２０万円×１０．５％）を頂戴します。
（３）: 過払請求の結果（訴訟を除く），依頼者が受取ることになった金額の１５．７５％（例えば，１００万円返還の場合には，１５万７５００円）を頂戴します。

２．民事再生（いわゆる「個人再生」のこと）手続

（１）: (a)　住宅資金特別条項を定めない（ご自宅をお持ちでないか、お持ちであっても手放す）場合
給与所得者等再生・小規模個人再生ともに２１万円ですが（ただし，個人事業者の場合は，給与所得者に比べ手間がかかるので２５万２千円），債権者が１０社（名）を超える場合は１社（名）につき１万５００円を加算します。
(b)　住宅資金特別条項を定めた（ご自宅をそのまま持ち続ける）場合
給与所得者等再生・小規模個人再生ともに２３万１千円ですが（ただし，個人事業者の場合は，給与所得者に比べ手間がかかるので２７万３千円），債権者が１０社（名）を超える場合は１社（名）につき１万５００円を加算します。　　　
また，住宅ローンのリスケジュールの打合せを当職が行う場合にはさらに１社当たり２万円を頂戴します。
なお，民事再生手続の報酬が破産手続よりも高額なのは，経験上，受任後１～３年程度はこの手続に携わることになるからです。
（２）: 実費
（a）収入印紙　１万円（申立時に必要）　　
(b)官報公告費用　　１万１９２８円（申立時に必要）　　
(c)予納郵便切手　　裁判所によって異なりますが，経験から言うと４千円ぐらいでしょうか（申立時に必要）
(d)個人再生委員報酬　　これも裁判所によって異なりますが（住宅資金特別条項の有無等），０円～２５万円ぐらいでしょうか
（東京地方裁判所を除き原則として申立時に必要）
（３）: 日当
申立書を裁判所に提出する際の日当は不要ですが，その後の個人再生委員との面談への同席を依頼者が希望された場合は１万５００円を頂戴します（実費は別途必要）

もちろんこれだけ多額のお金を直ぐに用意することなど無理でしょう。でも，少しずつなら貯められますよね。仮に，毎月３万円ずつ貯めることができたとすると，８月（東京地裁の場合）から１８ヶ月（その他の裁判所の場合）ほどで申立に必要な実費は貯まる計算となります。また，この積立ては再生計画案の履行テストも兼ねていますので，別の言い方をすれば，これぐらいのことができなければ，個人再生手続は無理であろうと判断せざるを得ないということにもなります。

ところで，民事再生手続の報酬は，原則として２年以内の申立を前提として考えています。もっぱら依頼者側の都合でそれができなかった場合は，(a)任意整理手続に準じた報酬を頂戴した上で辞任させていただくか，(b)１５％の割増料金を頂戴した上で受任を継続するかのどちらかとなります。ただし，(b)の場合でも４年以内の申立ができなかった場合は辞任させていただくことがあります。

３．自己破産（同時廃止事件も少額管財事件も同額です。）手続

（１）: 手続報酬

原則として１８万９千円ですが（※法律扶助制度が利用できる場合は１０万１千円～），債権者が９社（名）を超える場合は１社（名）につき１万５００円を加算します。
: なお，以上述べたことは消費者破産の場合であって，個人事業者や法人の経営者の破産申立は私が受任したほうが良いのかどうかも含めて相談の上決めさせていただきます。
: ところで，自己破産手続の報酬は，原則として１年以内の申立を前提として考えています。もっぱら依頼者側の都合でそれができなかった場合は，①任意整理手続に準じた報酬を頂戴した上で辞任させていただくか，②１５％の割増料金を頂戴した上で受任を継続するかのどちらかとなります。ただし，②の場合でも３年以内の申立ができなかった場合は辞任させていただくことがあります。
（２）: 実費
（a）収入印紙　１５００円（申立時に必要）
(b)官報公告費用　　１万２９０円（申立時に必要）
(c)予納郵便切手　　裁判所によって異なりますが、経験から言うと１千円～４千円ぐらいでしょうか（申立時に必要）
(d)管財人報酬　　少額管財となった場合には、管財人費用（裁判所によって異なりますが、多分２０万円～５０万円ほどでしょう。）が必要です（原則として申立（時または後直ぐ）に必要）。
（３）: 日当
申立書を裁判所に提出する際の日当は不要ですが、管財事件となった場合の破産管財人との面談への同席を依頼者が希望された場合は１万５００円を頂戴します（実費は別途必要）。

４．過払い請求訴訟（代理人となる場合）手続

平成１５年１月１日廃止の司法書士報酬基準に則ります。ただし、収入印紙や予納郵券及び相手方の資格証明書（代表者事項証明書）等の実費は別途かかります。

（１）: 手続報酬
被告１社（名）につき５万円を頂戴します。
（２）: 成功報酬
判決や和解の結果、依頼者が受取ることになった金額の１５．７５％（例えば、１００万円返還の場合には、１５万７５００円）を頂戴します。
（２）: 日当
電車での往復時間が、４時間程度の距離にある裁判所に赴く場合は、１往復当たり１万５００円（当事務所からだと、東京・埼玉・茨城・神奈川の主な裁判所はほぼこの範囲内）、４時間を大幅に超える距離にある裁判所に赴く場合は、１往復当たり２万１千円を頂戴します（実費は別途必要）。

※　法律扶助制度とは？
司法書士への手続報酬の支払いが困難な場合、日本司法支援センター（通称「法テラス」）が一時的に立替えてくれる制度です。ただし、生活保護を受けている場合を除き、あくまでも立替えてくれるだけですので、後から法テラスに対して返済（償還）が必要となります。詳しくは、下記法テラスのサイトをご覧ください。

http://www.houterasu.or.jp/index.html

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